2019年J1第7節 横浜F・マリノス対名古屋グランパスを因動分解!
『因動分解』=シーンの因数分解
新しい試みとして、ゴールシーンでは一体何が起こっていたのかを選手のアクションから見てみたいと思います。この試みでは、ゴールが決まった瞬間から逆順でさかのぼっていく形式を取りたいと思います。
数式の因数分解するように、チャンスシーンを因数分解するので因動分解と呼んでみようという感じです。
方法論としては、マインドマップの手法を応用してみたいと思います。
マインドマップについての詳しい説明はWikipediaに譲ります。
初回のシーンは横浜F・マリノス対名古屋グランパス戦の2つのゴールシーンです。
横浜F・マリノス対名古屋グランパス
簡単な説明(なんとなくわかりそうという方は読み飛ばして大丈夫です)
ともかく最初にマインドマップならぬアクションマップ(仮)を見てもらいたいと思います。
以下は、説明のためなので画像にしてあります。
一番左の大きな角丸四角は対戦カードを書いています。そこから線(ブランチ)でつながっているものがそのシーンの結果を反映したスコアです。この場合アウェー名古屋の1点目なので0-1ですね。
そこからブランチが別れ、得点者、結果(ゴール)、時間を記載しています。
その後は各選手のアクションをさかのぼってつなげていっています。ブランチが別れているところは、複数の選手が同時にアクションを起こしていたことを表します。そして、右端が起点となったプレイです。今回は、グランパスのシミッチがクリアボールを拾ったところから始まるということがさかのぼっていった結果として出ています。
グランパス1点目
最初に取り上げるシーンは、名古屋グランパスの1点目のシーンです。
簡単に説明すると、マリノスの遠藤がファールがPKになり、ジョーがそれを決めた。というシーンです。
そのシーンを因動分解してみると以下のようになります。
横浜F・マリノスvs.名古屋グランパス 1-1 名古屋の得点 by Yashin KASHIMA
このシーンでは1つのアクションを取り上げたいと思います。
アクションマップでは①と記載しました。
「G長谷川パスを受けるため移動」というところです。
Youtubeのハイライトで説明する気満々だったのですが、ハイライトに入っていないという…いきなり躓くという…なので、DAZN見れる方はそちらで確認していただきたいのですが、試合時間で言うところの6:13、配信時間で言うところの20:35のアクションです。
この瞬間、長谷川は喜田の背中側にポジショニングしています。しばらくその位置をキープするのですが、米本がドリブルで寄ってきたため、パスを受けるため喜田の裏をとるような動きをします。この動きが今回取り上げたいアクションです。
それに対し、喜田は何度となく長谷川の位置を首を振りながら確認していたため、その動きについていこうとします。しかし、結果的にその動きが、米本から更に奥のスペースにいた宮原への視界をひらき、パスという選択肢を作らせてしまうことになります。(パス自体は浮かせて頭の上を通すようなパスでしたが)
そして、このあとジョーと宮原による攻撃が繰り広げられ、結果としてPKへとつながっていきました。
ハイライトではカットされるような小さいアクションでしたが、このアクションがあってこそのその先だと思い取り上げてみました。ニッチかもしれません。
F・マリノス1点目
つづいて、F・マリノスの1点目を取り上げます。
こちらも簡単に説明すると、マリノス畠中が三好にボールを出し、そこから仲川・マルコスによるカウンターが炸裂するというシーンです。
そのシーンを因動分解してみると以下のようになります。2個めに作ったのでちょっとなれてきてアクション数が多いです。
横浜F・マリノスvs.名古屋グランパス 1-1 横浜の得点 by Yashin KASHIMA
このシーンで取り上げたいのは、畠中のフィードでもなく、三好のスルーパスでもなく、喜田の視野とコーチングです。
アクションマップでは①と記載しました。
「M喜田、M畠中にM三好(たぶん)へのパスをコーチング」というところです。予備動作として、その前の「M喜田、首を振り三好(たぶん)の位置確認」というところも見ておきたいところです。
こちらはハイライトに載っているのでそちらで見ていただきたいです。動画時間でいうところの0:45付近です。
この前から、喜田はしきりに首を振り、敵味方の選手の位置を確認しています。そして、広瀬がボールを確保したあたりから、前線の三好の位置を確認し始めます。
その後、遠藤が頑張ってキープをし、畠中へパスをします。ここから、畠中のナイスフィードへつながるわけですが、畠中は、ボールを受け取るまで一瞬だけ広瀬と天野の位置を確認はするものの、基本的にライン際にいる遠藤を見ており、ボールを受け取った瞬間にはヘッドダウンしていました。つまり、フィードする直前まで三好を見ていないわけです。そうしたときに、畠中はどうして三好を見つけられたかという疑問が浮かぶわけです。その答えが、「M喜田、M畠中にM三好(たぶん)へのパスをコーチング」ではないかと愚考した次第です。実際、喜田は畠中が顔を上げる直前、畠中に何かを言いながら三好を指さします。ちなみにこのとき、三好へのパスコースを開けるため、少し移動します。
つまり、この一連の攻撃で、畠中、三好、仲川、マルコスが注目されていますが、実は喜田も関わっていたんだよということが伝えたく、このアクションを取り上げました。実際このコーチングがなければフィードがなかったかもしれないわけですよね。そしたら得点もない。と考えるととても重要なアクションです。
このシーンからはもう1アクション取り上げたく思います。
みんな疑問に思ったのではないでしょうか?
「なんで三好あんなにどフリーだったの?」
それも因動分解からなんとなく見えた気がしたので書いてみます。
これに関するアクションは②のマークをつけました。3つありますね。
全ては、広瀬・遠藤がボールを保持している間に起こります。畠中のフィードの瞬間じゃなく。
簡単に言うと、米本が広瀬にプレスに行き、パスで逃げられたあと、遠藤から自分の背後にいる天野へのパスコースを切りに行きます。
同時に、シミッチがなぜかよくわからないですが、同サイドに絞ってきます。想像するに、調子の悪い遠藤からボールを奪えると踏んで、奪取後ボールを受けようと思ったのかもしれません。このアクションが結構致命的な気がしております。おそらく、三好がボールを受けた場所は、本来なら米本かシミッチのどちらかがいなければならない場所ではないでしょうか? 両ボランチが同サイドに寄ってしまったがゆえにスペースが空いたように思えます。
ちなみに散々な出来だったと酷評されている遠藤もここのボールキープとパスはとても良いアクションをしているように思えます。
終わりに
というような感じで、不定期に少しずつ紹介していけたらなぁと考えております。
しばらくは誰も見てないんだろうなと思いますが、細々と続けていけたらなぁ。
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