鹿島アントラーズのゴール傾向を調べてみた結果(前編)

2019年10月25日

Twitterに『 ゴールシーンから見るTOP4!第2弾 シーズンクライマックス編 』という動画を上げたのですが、今回はその補足というか、そこで紹介しきれなかったことなどをまとめてみたいと思いました。(現在思っているだけで最終的にどのような記事になるかはわかりません)
ちなみにそのツイートというのは以下です。合わせて御覧ください。

なお、今回は以下全て20節終了時のデータとなります。

前提として知っていてほしいことの話

この動画の第1弾を作った時点では20節までしか消化されていなかったため、20節までをまとめた動画を出しました。そして、今回の第2弾は21節から28節を対象に作成しました。
ですので、基本的には今シーズンの1~20節と21~28節、そしてそれを合体させた1~28節という3つの期間について語っていきます。

今回は20節までのことです。

得点ポジション&アシストポジション(起点ポジション)を図にまとめた

早速ですが図から見ていただきたいと思います。

まずは、20節までのゴールに至ったプレイのシュートポジション、アシストポジション、及び起点となるパスのポジションをまとめた画像をご覧ください。

20節までのゴールに至ったシュート(オレンジ)とアシスト(ピンク)および起点(青)のポジション

どうでしょうか?
いろいろな見方があるとは思いますが、多くの方が次の特徴を見て取ったのではないでしょうか。

  • シュートポジションが左に偏っている
  • 右ハーフスペースでのアシストが多い
  • ゴールエリア内での得点が多い

順番に見てみましょう

シュートポジションが左に偏っている件

シュート関連の数値に関しては動画制作時に詳しく集計したので、ある程度データがあります。(アシストは全然集計していない)
まず答えとなる数字から言ってしまいますが、20節時点でのシュートポジションは
左:17 中央:4 右:8 です。(総得点数と会わないのは動画で確認できていないものがあるためです)
やっぱり圧倒的に左が多いですね。

ちなみに、平均シュートポジションはゴール中央から縦に9.17m、左に3.28mのあたりです。左図の赤丸のあたり。
平均偏差(どれくらいばらつきがあるか)を計算してみると、縦に約5.9m、横に約9.25mなので黄色丸くらいの位置になります。
ちなみにこの黄色丸の中でシュートが打たれているのが多いということではなく、平均地点(赤丸)から実際にシュート撃った位置(たくさんあるオレンジ)をまでの平均距離がこの黄色丸の縁にあたるというものです。
説明していても分かりづらいなぁと思いますが、要するにこの黄色丸が大きければ大きいほど色んな所からシュートを打っているということです。

とにもかくにも、20節時点で鹿島アントラーズの得点ポジションは左に偏っているのです。

右ハーフスペースでのアシストが多い件

右ハーフスペースに6つのアシストのマークがあります。全22アシスト(公式記録とは異なります)から考えてみると、これは27%となっており、なかなかに多い数字ですね。4つに1つはこの位置からということになります。

それじゃあ、シュートとは逆にアシストが右に偏ってるんじゃない?って思うじゃないですか。じつはアシスト数の左右差は意外や意外、左が10右が12、左右差はほとんどないのです。
そこで、もう一つ図を見ていただきたい。ちょっとごちゃごちゃしているので大きめの画像にします。

これは、どのアシストが、どのシュートにつながったかを線でつないだものです。おおよそアシストのパスコースではありますが、アシストパスを受けたあとシュートまでに若干の移動がある場合があるので、あまり厳密には見ないでください。

全体的に左肩下がりの斜めだなーって感じしますよね。右は抉ってからクロスをマイナスにという形で、ほとんどすべて同じ経路を辿っています。逆に左からの攻撃は線がごちゃごちゃで色々なコースのパスが出されているのがわかります。

これつまり、右と左で攻め方が違うということですよね。もっと言えば選手の志向の違いが左右の差、ひいては右ハーフスペースでのアシストの多さにつながっているのかもしれません。
これ誰の特徴なんだろう? 今から調べ直すの時間かかりそうだからいずれということで…

ゴールエリア内での得点が多い件

多いですね。20節時点においては(TOP4の中では)横浜についで多く、11得点で全体の31.4を占めます。おおよそ3点に1点はゴールエリア内です。(得点数を考えてリーグ全体でも2位なのではないかなと思います。調べてませんが)
ちなみに横浜との違いですが、横浜はゴール前(つまりゴールエリア中央)あたりでの得点が多く、鹿島はゴールライン上での得点が多いです。

実は角度のないところからのシュートが多い件

さて、列記した項目はある程度記載してみましたが、もう一つだけ書きたいことがあります。
それが、見出しに書いた角度のないところからのシュートに関することです。

実はシュートポジションを座標化したことにより、三角関数を使えばシュート入射角を計算できるようになりました。(三平方の定理で距離を算出することもできる)

そうして入射角を計算したところ、TOP4の中で鹿島が最も角度のあるところからシュートを打っていることがわかりました。
平均入射角を計算すると、鹿島は25.22度になりました。ちなみに、これはゴールのド正面から撃った場合に0度です。他の3チームは東京21.80度横浜21.52度川崎17.77度です。だいぶ角度の差がある事がわかるかと思います。ちなみに入射角45度以上のシュートも多く、6得点(20.7%)です。(東京14.3%、横浜8.6%、川崎9.1%)

おそらくですが、今までの鹿島の攻撃について見てきたことを考えると、鹿島はボールをゴール前を通り過ぎるように大きく左右に振って攻撃をするので、必然的に角度が少なくなってくるのではないかと。それでも決めているのは、フリーでボールを受けていることが多いからなのではないでしょうか。

途中だけど終わりに

いかがだったでしょうか。シュートポジションからでも結構特徴を見いだせたのではないでしょうか。
サラッと書くつもりが思いの外時間がかかってしまったので、21節以降の話は分けて書きたいと思います。